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身近になったAIとその使われ方

こんにちは。株式会社グローバルゲート制作部のモーリーです。  
 今月は相棒と孤独のグルメがはじまるので久しぶりにテレビが楽しみになりそうです。


さて、今回の記事では近年実用化が進んで身近になったAI(人口知能)について、実際の活用例をご紹介したいと思います。 
SFやアニメ、漫画の中の話だったAIも一般人が簡単に使えるようになったり、知らないうちにスマホやパソコンの機能の一部として実用化されたりしています。 
AIは今後もさらなる発展と技術革新が進み、私達の生活を支える新しいインフラになっていくことは間違いないでしょう。 

そもそも「AI」とは何か

現在「AI」と呼ばれているもののほとんどは「大量の過去のデータから法則を見出し、未来を予測するもの」です。 
ここで言う「未来」は文字通り将来のことである場合もあれば、画像や音などの出力として得られるものも含みます。 
 
かつては「機械学習」「深層学習」と呼ばれ、厳密には「知能」と呼ぶべきではないと思いますが、「人工知能」という単語の響きがマーケティング的に秀でていたため(要するにウケがよかった)、かなり広い範囲の技術が「AI」と呼ばれています。 

例:将来の株価を予想するAIの仕組み

たとえば、将来の株価を予想するAIの仕組みをざっくりと見てみましょう。 
 
直近数ヶ月の株価の動きが以下のようなグラフだったとします。 

過去の株価のグラフと照らし合わせ、類似している期間を探します。

そしてグラフが類似しているということはその将来の値動きも似た動きを辿るだろう、ということで未来の株価を予測することができます。 

実際には過去の株価グラフだけを参照するような単純なものではなく、その時々で起きた事件や経済政策などを考慮して予測されているものと思われます。

AIは株価の予測、新薬の開発、宇宙の探究など大規模な研究でも使われていますが、今日では専門性の高い分野だけのものではありません。 
もっと私達の身近なところで使われている事例をご紹介します。 

Stable Diffusion : 画像・イラスト生成

Stable Diffusionは単語からハイクオリティな画像を生成するAIです。 
リリースされたのはつい先日(2022年8月)、その生み出される画像の凄さから「イラストレーターの仕事を奪う」「いや、漫画やアニメの作成に大きく貢献する」など賛否を交えて大きな話題となりました。 

実際に画像を生成してみましょう。

動作にはStable Diffusion UIというアプリケーションを使用しています。

幻想的な風景

A beautiful and highly detailed matte painting of an elven palace in a magical fantasy forest garden, psychedelic trees and plants and flowers, celtic vegetation, epic scale, insanely complex, hyperdetailed, sharp focus, hyperrealism, artstation, cgsociety, 8 k, bright colors

というテキストで生成した例です。

美少女

giantess hyperdetailed elegant beautiful stunning giant anthropomorphic robot mecha hot female dragon goddess, sharp spines, sharp metal ears, smooth purple eyes, smooth fuschia skin, smooth silver armor, nebula size, space, epic proportions, epic scale, macro giantess, warframe, destiny, furry, dragon art, goddess art, giantess art, furaffinity, octane

というテキストで生成した例です。

ロボット

a macro closeup photo of the chrome terminator cylon warror in a massive mass effect halo robot factory at night,blue haze, volume metric lighting, retracing, video game poster design with intricate details,action, gears of war, smoke, post apocalyptic,neon lighting, lens flare, rich vibrant colors, High contrast, blizzard concept artist, acrion

というテキストで生成した例です。

素晴らしい!!!

イラストレーターが危機感を持つのも納得です。 
もっとも、カメラが発明されたとき、プリンタが発明されたとき、クリスタが開発されたときも同様の議論はあったでしょうから、この技術を活用してより優れた作品が生まれていくことを期待しています。

DeepL : 翻訳

DeepLは翻訳サービスですが、AIによって文章の予測や内容の認識を活用してより高精度な翻訳を実現しています。 
従来の機械的な翻訳は単なる単語を変換していただけだったため、特に専門分野のテキストは正しく翻訳されないケースが多々ありました。 
文章の意図を判断しつつ翻訳を行うことで高精度かつわかりやすい文章を実現しています。 
 
翻訳サービスの代表であるGoogle翻訳に同じ文章を入れ、英語に翻訳して比べてみましょう。 

元の文章

Mr. President, Mr. Secretary-General, my fellow leaders, in the last year, our world has experienced great upheaval: a growing crisis in food insecurity; record heat, floods, and droughts; COVID-19; inflation; and a brutal, needless war — a war chosen by one man, to be very blunt.  
 
Let us speak plainly.  A permanent member of the United Nations Security Council invaded its neighbor, attempted to erase a sovereign state from the map.   


*ホワイトハウスの記事より

Google翻訳の場合

大統領、事務総長、私の仲間の指導者の皆様、昨年、私たちの世界は大きな激動を経験しました。記録的な猛暑、洪水、干ばつ。 COVID-19(新型コロナウイルス感染症;インフレーション;そして残忍で不必要な戦争 — 一人の男が選んだ戦争で、非常に率直です。 
 
率直に話しましょう。国連安全保障理事会の常任理事国が隣国に侵入し、地図から主権国家を消そうとしました。 

DeepLの場合

大統領、事務総長、そして指導者の皆さん、昨年、私たちの世界は大きな激動を経験しました。食糧不足の危機の拡大、記録的な暑さ、洪水、干ばつ、COVID-19、インフレ、そして残忍で必要のない戦争--非常に率直に言えば、一人の人間が選んだ戦争--。 
 
単刀直入に言おう。 国連安全保障理事会の常任理事国が隣国を侵略し、主権国家を地図から消そうとしたのです。 

Google翻訳はいかにも機械的な翻訳という印象でこのままでは使えません。
しかしDeepLはこのまま語尾さえ統一すればこのまま使えそうです。
 
学生時代にこのサービスがほしかった…。

将棋

コンピュータに将棋を指させる、というものは古くからあり、初代ファミコンにも将棋のゲームはありました。 
当然ファミコン時代のゲームは非常に弱く、プロどころか将棋を覚えたての小学生でも満足できるものではありませんでした。 

ところが2000年代になると実力が飛躍的に向上し、2013年にコンピュータと現役のプロ棋士との団体戦が行われた際はコンピュータが勝利しました。 
この頃はまだプロ棋士も「AIなんかには負けない」という意地があり、絡め手を使って勝ちに行った棋士、泥臭く引き分けを狙った棋士など、勝負師のプライドが垣間見える熱いドラマが生まれました。 

2017年にponanzaという思考エンジンと最高峰のタイトルである名人保持者が対局して0勝2敗だったことで、「人間とAIはどちらが強いか」という議論に結論が出されることとなりました。現在ではコンピュータのほうが強いということは共通認識となっており、プロ棋士もAIを用いて戦術を研究しています。 

プロ棋士は高性能なPCを利用して研究を行っていますが、市販のゲームでもAIの強さを体感することができます。
最近販売されている将棋ゲームにはプロ棋士が研究で使うような思考エンジンを搭載しているものも多く、腕に自信のある方でも十分満足できる強さとなっています。 

激指、AI将棋、銀星将棋はアマ高段者並の実力があり、相当に手強いそうです。

将棋のAIが飛躍的に強くなった理由の一つに、形勢判断を上手く行えるようになった点があります。 

たとえば以下の局面、開戦直後の中盤戦ですがどちらが有利でしょうか? 
後手は金銀四枚の堅陣、しかし先手のほうが攻め手がいろいろとありそう、と判断が難しいのではないでしょうか。

ちなみに解析による結果は、先手が評価値-500ぐらいでやや押され気味です。「攻めさせられている」と表現すべきでしょうか。

AIが登場する以前は「大局観」と呼ばれ、有利不利・攻めるか受けるかを判断することも技術の一つでした。 
そして局面を楽観的に見るか悲観的に見るかも棋士の個性とされていました。 

どの手を指せば有利になるか、その判断を積み重ねが勝利に繋がるわけですから、形勢判断の正確さは非常に重要です。 
その形勢判断を正しくできるようになったことで、将棋AIは飛躍的に進歩しました。

画像認識

コンピュータにとって画像とは小さな点の集まりでしかないため、猫の写真を見て「これは猫である」と判断することは案外難しいことでした。 
大量の猫の画像を「これは猫である」「こちらは猫ではない」と学習し、更に背景と被写体の区別を付けられるようになってはじめて猫を認識することができます。 

現在では大量で様々な画像を学習したデータセットを用意できるようになったことで、画像加工アプリケーションやスマートフォンなどでその恩恵を受けられるようになりました。 

例えば、iOS16で搭載された画像切り抜き機能は「何が被写体であるか」を認識して切り出しています。 
同様の機能はPhotoshopの「被写体選択」という機能でも実装されています。

また、今ではほとんどのカメラに搭載されている顔認識・瞳認識機能もAIの技術によって飛躍的に精度が上がってきました。 

AIが感情を持つことはあり得るか? 

高度なAIやロボットが自我を持ち、人間に仕えることを拒否して反旗を翻す。人間が予想していなかった超常現象を引き起こす──SF小説や漫画などでよく見られる展開です。 

ドラえもんの映画作品「のび太とブリキの迷宮」では生活をロボットに依存しすぎた結果、ロボットたちに自分たちの星が乗っ取られてしまう種族が登場します。 
ゲーム「.hack」のアウラはAIながらもMMOのシステムに干渉し、管理者やプレイヤーが予期しない現象を引き起こします。 

…もっといろいろありそうだけどあんまり思いつかなかった(;´∀`)

実際にそんなことが起こり得るのでしょうか? 

たとえば、人間と会話するAIについて考えてみましょう。 

こんにちは、ゆっくり霊夢です。 

への返信を導き出すためには 

・「こんにちは」と言われたから「こんにちは」と返す。 
・「ゆっくり霊夢です」と言われたから「ゆっくり魔理沙だぜ」と返す。 
・ストックしている雑学のパターンからランダムで1点選ぶ。 

という手順が必要です。
このような条件をもとに 

こんにちは、ゆっくり魔理沙だぜ。 
今日はAIが私達の生活にどのような影響を与えるかについて解説するぜ。

と返答します。 

あくまで豊富な学習データと様々な条件に基づいて返答を生み出しているだけであり、0から生み出した返答ではありません。 
人間の感情を再現できるような技術が生まれればAIからの反逆も恐れないといけないかもしれませんが、私達が生きている間に実現は難しいでしょう。 

ちなみに会話のやりとりして人間と勘違いさせることができるかどうか、というテストを「チューリングテスト」と呼びます。 

AIが感情を持って刃向かうことより現実的な問題として、誤動作やバグの発生が挙げられます。
車の自動運転や介護や医療など、決してバグが起きてはいけない分野はたくさん存在します。もっとも、バグが許されないからと言ってAIの導入をためらっていては、その分野での発展が見込めなくなってしまいます。

バグやミス、不具合をどうリカバリーするか、ということもAIの活用のために必要な事象となってくるでしょう。

まとめ

ということで、今回は身近になったAIの活用例をご紹介しました。 
AIは未来の技術ではなくなり、既に私達の生活のいろいろなところで活用されています。
今後の発展も楽しみですね。 

当社の事業でもAIを活用していければいいなと思っていますので、ぜひご期待ください。

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