株式会社グローバルゲート公式ブログ
こんにちは、株式会社グローバルゲートのモーリーです。
あっというまに12月になってしまった…。健康診断の結果が芳しくなかったため、年末年始は節制して来年はフィジークに出られるぐらいの肉体美を目指して頑張りたいと思います。
なお、当社は2024~25年は12月30日から1月3日まで冬季休業となります(通常営業は1月6日から)。
ご迷惑をおかけしますがよろしくお願い申し上げます。
さて、今回はストーリーテリングという情報表現技術についてご紹介したいと思います。
情報を効果的に伝える手法として注目される「ストーリーテリング」。単なる情報提供を超えて、感情に訴えかける力を持つこの手法は、Webサイトの訪問者に深い印象を与え、ブランドを記憶に残る体験として提供することを目指します。その基本的な考え方や成功事例、そして実践方法についてご紹介します。
ストーリーテリングとは、製品やサービスの特長を単に列挙するのではなく、物語として組み立てて伝える手法です。このアプローチでは、数字や具体的なスペックといった情報は補足的な役割に留まり、主体は以下のような「背景」「物語」に焦点を当てます。
製品が生まれるまでの開発者の思い
その製品やサービスが誕生するまでのストーリーには、多くの企業理念や情熱が込められています。この背景を訪問者に伝えることで、製品への信頼感を高めることができます。
購入後のライフスタイルの変化
例えば、製品を使用することでどのように日常が改善されるのか。使い始める前と後での変化を具体的に描写することで、訪問者はその製品を自分の生活に取り入れるイメージを持ちやすくなります。
企業が目指す社会的な価値
単なる利益追求を超えて、社会にどう貢献するかというビジョンを物語に含めることで、訪問者にとって企業そのものが信頼できる存在となります。
これらの要素を「起承転結」や「序破急」といった構成に組み込むことで、訪問者の共感や理解を深め、興味を引きつける効果が期待できます。
ストーリーテリングの手法は外資系の企業がブランドイメージ構築や販促として取り入れはじめ、近年では日本の企業でもプロモーションで採用するケースが増えてきました。
実際の事例を見てみましょう。
エナジードリンク市場で圧倒的な存在感を放つRed Bull。成分や具体的な効能といった製品の特長をあえて強調しないにもかかわらず、世界中で高い認知度を誇っています。その理由は、製品そのものよりも「冒険」「挑戦」「創造性」といったブランドの価値観を前面に押し出す戦略にあります。
Red Bullはスノーボードやモータースポーツなどのエクストリームスポーツに積極的にスポンサードし、さらにはチームを運営することで、「エナジードリンクを飲むと元気になる」といった単純なメッセージではなく、ブランド全体でライフスタイルを物語っています。このように、ストーリーを軸にしたアプローチが、Red Bullの唯一無二のブランドイメージを形成しています。
日本のエナジードリンクの草分けとも言えるオロナミンCのWebサイトと見比べてみると分かりやすいでしょう。
オロナミンCは名前からしてビタミンCの含有量を強調し、Webサイトでも成分を大きくアピールしています。
Appleの製品は、パソコンではなく「Mac」、スマートフォンではなく「iPhone」と称することからも分かるように、既存のカテゴリには収まらない製品であることをアピールしています。このブランド戦略の背後には、「Appleの製品は単なるデバイスではなく、使用者の生活を変える存在である」という強い物語があります。
近年では自社開発のA17やA18チップのスペックやカメラの画素数を強調することも増えましたが、Vision Proの製品ページではかつてのAppleらしく、新しいライフスタイルを提案する物語が展開されています。訪問者が「これを使えば自分も未来的な生活を体験できる」と感じられるストーリーテリングは、Appleが競合他社と差別化を図るための強力な手段となっています。
一方、SonyのXperiaはカメラの焦点距離や構造を技術面から解説し、櫻坂46を起用した最新のプロモーションでもメインはバッテリーの持ちをアピールするものとなっています。
LUXはヘアケア製品としての効果や成分を伝えることよりも、「私らしく」というテーマを通じて、使用者が自分自身を表現できる物語を描いています。このアプローチにより、LUXは単なる商品ではなく、顧客の自己実現をサポートするパートナーである点を強調し、さらに差別に立ち向かう社会的責任を明確にしています。
紹介した事例は資本に恵まれたグローバルな大企業ばかりとなってしまいましたが、ストーリーテリングのアプローチはどんな規模の事業者様でも応用できます。
むしろ資本力がないからこそ、物語による共感を訴える必要性があると言えるかもしれません。
1. ブランドの個性を伝える
似たような製品やサービスを提供している競合企業がいる場合でも、ブランド独自の物語を作り出すことは非常に重要です。たとえば、創業のきっかけや製品開発の裏話など、ブランドの背景にあるエピソードを明確に伝えることで、訪問者の信頼を獲得しやすくなります。また、製品やサービスが生まれる過程を共有することで、訪問者がブランドに対して感情的なつながりを感じやすくなるでしょう。
2. 訪問者の関心を引きつける
現代のWebサイトでは、情報が溢れる中で他と差別化することが求められます。単に事実やスペックを羅列するだけでは、訪問者の興味を引くことは難しいでしょう。しかし、物語を通じてメッセージを伝えることで、訪問者は「続きが知りたい」と感じ、Webサイトでの滞在時間が延びる効果が期待されます。最初に問題提起を行い、それに続く解決策や未来のビジョンを展開する構成が効果的です。
3. 行動を促進する
ストーリーテリングは、訪問者の感情に直接働きかける力があります。たとえば、「この製品を使えば日常生活がこう変わる」といった未来像を具体的に描写することで、訪問者は製品を購入する意欲を高めます。また、物語を通じて課題の解決方法を提示することで、製品やサービスが訪問者にとって必須の存在であることを伝えることが可能です。
4. 視覚要素を活用する
物語の伝達において、視覚要素は極めて重要です。たとえば、主人公の物語を表現した写真やイラスト、感情を揺さぶる動画、データを視覚化したインフォグラフィックなどを効果的に使用することで、訪問者を物語の世界に引き込みやすくなります。視覚的なコンテンツは、特に短時間で訪問者の関心を引く際に強力なツールとなります。
5. 一貫性を保つ
ストーリーテリングにおいては、一貫したメッセージが欠かせません。ブランドのトーンやビジョンがWebサイト全体で統一されていることにより、訪問者は信頼感を抱きます。逆に、矛盾するメッセージや不統一なデザインがあると、ブランドに対する信用が失われる可能性があるため注意が必要です。
6. 訪問者を主人公にする
効果的なストーリーテリングの鍵は、訪問者自身を物語の中心に据えることです。製品やサービスが「訪問者の課題をどのように解決し、生活をどう向上させるのか」を具体的に描くことで、訪問者は自分自身をその物語に重ね合わせることができます。この手法は、訪問者の共感を呼び起こし、感情的なつながりを生み出す力があります。
もっとも、単にWebサイトにストーリー性を取り入れればいいと言うものではありません。
たとえばSNSでは「過剰な発注で在庫が余ってしまった」「注文や予約の無断キャンセルで困っている」というストーリーを目にすることがありますが、これが事実でなかったらどうなるでしょうか?もちろん回復できないほどの信用失墜を招きます。
「嘘をつく」というのは当然やってはいけないことですが、それ以外にも次のような点にも注意が必要です。
1. 目的の曖昧さ
マーケティングキャンペーンで「感動的なストーリー」を目指したが、製品やサービスとの関連性が薄すぎて、顧客が何を買うべきなのか理解できなかった。
2. 冗長で焦点がぼやける
企業の歴史を語る動画が30分も続き、視聴者が途中で興味を失った。
3. 観客の共感を欠く
高級ブランドが「一般市民に寄り添ったストーリー」を発信しようとしたが、内容が非現実的で逆に批判を浴びた。
4. 感情に訴えすぎて不快感を与える
チャリティー広告で過度に悲惨な映像を使用した結果、視聴者がチャンネルを変えてしまう。
5. キャラクターの不自然さ
製品紹介動画で登場したキャラクターが企業側の「理想像」で作られており、リアリティがなく違和感を持たれた。
6. 文化的・社会的感度の欠如
グローバルキャンペーンで特定の文化を誤解した内容を含み、ターゲット地域で批判された。
ということで、今回は「ストーリーテリング」という情報の伝達手法についてご紹介しました。
ストーリーテリングを活用したWebサイトは、単なる情報提供を超えた体験を訪問者に提供します。訪問者の感情を動かす物語は、ブランドの個性を伝えると同時に、深い信頼関係を築く力を持っています。大企業の事例はすべてを真似するのは難しいですが、どんな事業主様でも参考にできる点があると思います。より魅力的で見る人を引き付けるWebサイトを目指しましょう。
当社ではWebサイトの運営を劇的に簡単にするCMS「WebChanger」の開発を行っています。
御社のストーリーをサポートする助けになれば幸いです。
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モーリー
Webデザイナー。
当サイトのデザインと管理も担当しています。
ナミー
Webディレクター。
本社制作部の紅一点。お客様に寄り添った提案を心かげています。
タカ
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Webサイトにとってサーバーは命、ネットワークは血液です。Webサイトの安定稼働のために日夜注力しています。
たっくん
ITアドバイザー
Webサイトの活用方法からオフィスのネットワーク整備まで、多角的にITの活用方法をご案内させていただきます。
ノーさん
制作部ディレクター。
業種を問わず多くのお客様を担当させていただきました。Webサイトのお悩み、活用方法などぜひご相談ください。
カン
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制作部最年少の若手ですが、だからこそ生まれるアイデア・発想にご期待ください。
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