株式会社グローバルゲート公式ブログ
皆様、こんにちは。湿気で髪が30%増毛中のナミーです。
梅雨だか、夏だか、よくわからない毎日ですね。
庭で、紫陽花・沙羅双樹・アガパンサスが咲いてくれています。
じっくり観察すると、葉脈や雌しべの形が芸術的で、おもしろい。
たまには、小学生の観察日記のように、細部まで眺めて見るのも良いかも~。
(↑沙羅双樹に蝶々が!一日花なので明日にはポトリと落ちてしまいます)
前回、ケニアの夜行列車からキリンを眺めた話をしましたが、
その夜行列車と同じコース(ナイロビ~モンバサ間)を、「ナイロビ新幹線」が開通していました。
距離にして470km、東京~京都ぐらいを、4時間半で走ります。
新幹線って名前のわりには遅いですけどね…。
それでも、もうキリンはついて来れない速さ。
なんぼキリンの首が長くても、窓から見えたキリンは、一瞬で後方へ流れてしまいますよね。
あぁ、もうあの「世界の車窓から」は体験できないのかぁ…。
窓から手を振ったら、調子に乗った子供が走って追っかけて来たりしてたのになぁ。
今なら、走る気もしないだろうなぁ。。。
意識が遠くの世界に行ってしまいそうですが、
今日は、私の大好きな場所「美術館」のお話です。
つい先日まで、緊急事態宣言下で臨時休館の美術館・博物館も多かったのですが、
人数制限があるとはいえ、ようやくほぼ通常通りの開館となりました。
人数制限!これはありがたい~。
人気の美術展は、人の頭を観てるのか作品を観てるのかわからない状態だったので、
密を避けるというより、ゆっくり作品を鑑賞するためにも、今後も人数制限をしてほしい~。
ここ数年で1番良かった美術展は、2019年1月~開催された
「驚異の超絶技巧!明治工芸から現代アートへ」(あべのハルカス美術館)
今思い出しても震えるぐらい良かったです☆
何がって?
人間の手で本当にこんなものが作れるの?と思うぐらい精巧なんです。
「超絶技巧」の名に恥じないと言うか、それ以上!
100年も前にこんな技術が存在したのか!と驚愕しますし、これらの作品を作るための道具もまた、並のものではないはずです。
閉館ギリギリまで鑑賞し、図録を握りしめて帰りました。
この図録を開くと、疲れが溜まっていても「人間ってすごい!」と、元気をもらえるんですよね~。
聖書?経典?みたいな存在。
まずご紹介したいのは、明治期の七宝と言えば、2人の「ナミカワ」、並河靖之(なみかわやすゆき)と濤川惣助(なみかわそうすけ)。
2大巨匠の名字が同じ(漢字は違うが)なのは、たまたま。
「ナミカワ」=七宝の神様、で、間違いない。
有線七宝の並河靖之の作品は、一般的な七宝の作り方。
簡単に言ってしまえば、線で絵柄を作り、そこに釉薬を流す。
なんですが、その絵柄の細かさが、宇宙レベルで、なぜこんなに細かい作業ができるのか、わからない…。
一方、無線七宝の濤川惣助の作品は、並河靖之の作品に比べ、幻想的。
というのも、無線七宝は、線で絵柄を作り、釉薬を流し、その後その線を取るので、釉薬が微妙ににじみ、ボワ~っとした印象になります。
絵画で言うところの「朦朧体」
こちらも、宇宙レベルであり、誰も追随できないブラックホール級。
迎賓館赤坂離宮の「花鳥の間」を飾る七宝の制作に、有線の並河か、無線の濤川か・・・
選考の結果、濤川惣助に決定。
渡辺省亭の花鳥画に、濤川の無線七宝を施し、世界の名だたる宮殿にも負けない「花鳥の間」となりました。
残念なのは、有線か無線かで、選んでしまった事。
2人の天才の作品を、両方採用していたら、もっと美しかったんじゃないかなと思います。
個人的には、並河靖之の作品の方が好きですし。
語りだしたら、終わらないパターンだ…。次、いきましょう。
明治期の天才、絶対忘れてはならないのが「安藤緑山」
神を超えた神の手。
ドラえもんのひみつ道具「きよう手袋」を、100個ぐらいプレゼントされた人。
これなんだかわかります?
果物でしょ?野菜でしょ??と言いたくなるけど、全て安藤緑山の象牙で作った彫刻。
(動物保護の観点からは、象牙を使わないでよ~!と言いたいところですが、ここはひとつ堪えて…)
もう、笑っちゃうレベル。なんでこんなものが作れるの?
パイナップルとバナナの大きな写真を最初に貼りましたが、彫刻に見えましたか?
パイナップルは皮のキュッとよじれた感じも再現されてるし、バナナは皮にほんの少し萎びたへこみがあるし。
「このバナナでボケてください」って渡されて、
「あ~もしもし~~、って、これバナナやんっ!」
と、ボケたとしても、そもそもこれがバナナでもないことに気づかないでしょう。
天才過ぎて怖い。
世の中には、人間じゃない人が、人間のフリをして紛れてるんじゃないかと思ってしまう…。
明治の天才の影に埋もれがちですが、現代にもやはり天才は居るんですね~。
自在置物の天才「大竹亮峯」
この方は、生まれた時から「きよう手袋」をはめておられます。
小学校の机に彫刻を施し、あまりの出来に、先生に怒られなかったエピソード有り。
自在置物は、動物等の彫刻が、見た目だけでなく、体節・関節の部分も本物と同じ動きをする、とんでもなく複雑な作品です。
この蟹も、もちろんハサミが動き、足が動き、、、蟹そのものです。
掘り出すだけでもすごいのに、動くって!!剥製より完璧。
最後はこの方、アルミニウムのアートの天才「高橋賢吾」
ゴマ粒のように、小さな小さなアルミニウムの花が無数に連なった作品「flower funeral」
大きな花でさえ、花びらの厚さが0.1mm!
しかもこの花、本物の花を鋳造する「現物鋳造」の手法で作ってるんです。
アルミ鋳造なのに、こんなに儚い作品がかつて有りましたか??
世の中、素晴らしい作品を生み出す人がいらっしゃるんですね。
私も細かい手作業は好きなので、今週末は、切り絵でもやってみようかな。
(※画像は全て、全家庭に1冊ずつ置いてほしい超絶技巧の図録より)
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