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今秋の芸術祭まとめ(後編)

こんにちは。グローバルゲートのナミーです。
毎年恒例ではありますが、今年の漢字は「金」に決まりましたね。 
オリンピックYEARは、2012年から連続で「金」
またか、、、というか、そんなに金ばっかり選ばなくてもいいんじゃない?と思ってしまいますが。
裏金問題、円安、(金属としての)金の価格の上昇、全てを含めて、今年も「金」
金ピカ・光輝く「金」だと、一番良かったんですけどね。
今年は元日から能登の震災、翌日には飛行機の衝突事故が起き、一体どんな一年になってしまうんだろう…と不安に苛まれましたが、個人的には杞憂に終わり、平凡な1年を送ることができました。 ありがたや~。
歳をとるごとに、変わらない日常のありがたさを感じでおります。。。 
もし今年が悪い年だった方も、「良きも悪きも長続きせず」ですので、来年は良い年になりますよ。
来年の漢字は「楽」「明」「優」あたりを目指しましょう!


さて今回も、秋の芸術祭巡りの後編です(前回は2つしか紹介でなかったので、ちょっと端折り気味で)

★かめおか霧の芸術祭
今秋訪れた中で一番良かった「かめおか霧の芸術祭」の「城跡芸術展」 
作品も、展示の仕方も、会場も、出展数も、何もかもがちょうど良くて、惚れた♡

会場は丹波亀山城跡(現在は宗教法人:大本があります) 
宗教施設の建物やお庭・植物園と作品がマッチしていて、この施設のために作られた作品かと思うほど。
全作品紹介したいぐらい良かったんですが、特に気に入った作品をご紹介します。

安井友幸さんの作品「湿・泉・清 水辺の風景」

漆芸作品を、庭の苔むした石の上に展示。自然と馴染んで、こんな石が自然にありそうな気がしてきます。
水辺の風景と言うだけあって、優しい輝き方のブルー。
この器の作品を渓流に見立てた、小さな人(模型)が、なんともかわいらしいです。

ミニチュア写真家の田中達也さんの作品みたいですね。
アップにすると、漆芸作品というより、南国の透明度の高い川のよう。
作家さんもいらっしゃって、作品の作り方や色についても、お話できました。
訪れたのが最終日ということもあり、他の作家さんたちもいらっしゃってて、作品の背景を伺えたのが楽しかったです。

大矢一成さんの作品「美しき問い」

超絶バランスアート。真ん中の芯のような部分だけでなく、石の配置も心地よいバランスを保っています。
作者からのメッセージ
「答えのでないことも美しき問いとしてずっと考え続けることこそが、創造的な生活なのではないでしょうか」
美しき問い。
この作品を見ていると、何か哲学的なことを問われているような気がしてきます。
宇宙、創造、空間、バランス、配色、世界、形、、、
ただただジ~っとこの作品を眺める1日があれば、自分の中で何か生まれるかもしれない(知らんけどw)

ZENG HUIRUさんの作品「I,You,He,She」

私が写真を撮っていたので、壁ギリギリに立ってできるだけ映らないようにして下さったんですが、バッチリ写ってます!(写ってもらって良いのよ)
中国出身の方で、今京都の大学院で芸術を学んでおられます。
この作品は、金魚の形をした陶芸作品。まるでティッシュのように薄くて柔らかく見えるんですが、陶器なんです。
手でクシャっとできそうですが、触ったら、カチカチよ(触ってませんが)
細いワイヤーの上を泳ぐ金魚は、音符のよう。
ん?ということは、金魚と言うより、オタマジャクシかな?

下から見ると、水面を泳いでいるよう。

窓の向こうの緑が、水中から見た地上のようで、上から見た時と作品の雰囲気がガラッと変わりました。
下から見た方が、ずっと力強く感じるんですよ。同じ金魚ちゃんたちなのに。

稲あゆ美さんの作品「日常」

染織作家の稲さん、この作品を作る前にこの場所を訪れて、イメージを膨らませてから作品を作ったそうです(本人にお話し伺えました)
奥にぼんやり見えるのが食器棚。
ちょっとしたキッチンスペースが、綴織のタペストリーに縁どられ、宮殿の一角のような華やかさ。
遠目で見ると、額縁に描かれた油絵のようですよね。
我が家のキッチンスペースも、稲さんにお願いして織物製作してほしいな~。

松岡勇樹さんの作品「はじまりもおわりもない」

死の象徴である豚革に「はじまりもおわりもない」世界を描く。それが、作者が獲得した世界そのもの。だそうです。
こちらも哲学的な世界が広がっていました。
宗教施設での開催なだけに?心を問う作品が多いような気がします。

奥村博美さんの作品「襤褸(ぼろ)のうつわ 襤褸のおもて」

こちらは陶芸作品。
芯を作り、土を貼って、全体を包帯で縛り、直ぐに芯と包帯解いて、形を整えて作るそうです。
虫とか蚕とか、生き物のようなんですよね、もしくは、包帯の化石。
とても陶芸作品には見えないですが、重厚感は伝わりました。

全部で28作品、展示箇所は建物2つ+植物園で、歩いて回るにはボリュームがちょうどよく、足も頭も疲れすぎない心地よさでした。
いつも「芸術祭は体力勝負!」と言ってますが、今回は疲れ知らずでコンプリートできました。
これで無料って、なんて素敵な芸術祭なんでしょう~。
来年もあれば、必ず行きます!


★亀山トリエンナーレ
六甲ミーツアートに行った時に、ポスターが貼ってあって知った、亀山トリエンナーレ。 
芸術祭あるあるで、芸術祭に行って別の芸術祭を知るパターン。そして、また芸術祭に行きたくなってしまう。 
の繰り返し(芸術祭地獄) 
 
こちらも無料の芸術祭なのに、なんと81組のアーティストが参加! 
会場は大きく3つに分かれていて、亀山市中心部の商店街、東海道五十三次の宿場町:関宿、鈴鹿峠自然の家(今年の夏にペルセウス座流星群を見に行った場所です)で、展示されていました。
3箇所は離れていましたが、各会場内はギュッと作品が詰まっていたので、わんこそばのようにどんどん作品を見て行くことができました。

81作品もあるので、厳選に厳選を重ねて5点ご紹介!
 
ピカソスイッチさんの、藤棚を丸ごとお家に改造した作品。

広場の藤棚が、ポップなお家に変身!!
風は通るし、天井から木漏れ日が差すし、季節の良い晴れの日に住んでみたい(中は仕切りが多くて住みにくそうですけどね、きっと楽しいはず!)

亀山城多聞櫓の横にある、明治天皇行在所の中には、目がバッキバキのうさぎちゃんがいた~!
こちら、服部奈奈さんの「Inclusive Society ~もこびぃとまおまおとみんなと~」

ポップなうさぎが謎の会合中。後ろにある「行在所」の美しい文字とは真逆過ぎて笑える~。
城趾芸術展は、この場所にしてこの作品あり!という展示だったのに、この場所にして何故この作品~?!なのが面白い。
明治天皇がお空で驚かれてますよ。

オノ・ミチ・ヒロさんの、可愛くてちょっとシュールなテディベア。

いろんなバージョンがありまして、頭だけがテディベアの人だったり、もっふもふのかわいいテディベアだったり、陶芸作品だったり。
腕が確かな芸術家さんじゃないと、こんなにいろんなタイプの作品は作れないですよね~。
ファンタジーの世界でもあり、ホラーの世界でもある、不思議な作品。
作品数も多く、見応えがありました。

宮嵜祥子さんの作品「亀山の生命」
針金と糸で作られた作品で、紅白の糸が建物の中を躍動していて圧倒されました。

影もまたアート。光の当たり具合が良いですね。
場所が変われば、また全く違った表情を見せてくれるんでしょう。
しかし、こういう作品って、どうやって保管してるんでしょうね?ギュッと小さくして保管すると、糸と糸が絡まって大変なことになりそうだし、広げたままでは置いておけないだろうし。大きい作品って大変ですねぇ。

厳選作品の最後、関宿エリアの山田風雅さんの作品「時と場所を超えてやってきたが、僕にはずいぶん新しいようだ」

作品名がかわいい~。そりゃ僕には新しい世界だよね~。
近代の建築に囲まれた庭で、心細そうに佇むこの子が可愛そうに思えてきました。
あら、顔色も悪いよ、ちょっと内股気味な後ろ足が、不安そう。
大きな作品ですが、全然威圧感のない、優しい恐竜君でした。

10時にスタートしてから、お昼休憩以外ぶっ通しで作品を見て回って、17時のクローズギリギリに全作品コンプリート!
よく歩いて、たくさん写真を撮って、友達とあーだこーだ言いながら、最後はノルマのように全作品を見尽くしました。
すこぶる疲れるんですが、でもやめられない、かっぱえびせん状態(若い人には通じないだろうか…)

亀山トリエンナーレは、トリエンナーレ(イタリア語で「3年に一度」を意味)なので、また3年後。
次回は100作品を超えるかな~、新しい展示を楽しみに待っています!


★生えてきた芸術祭 みかのはら〜と
みかのはら~とは、京都府南部にある小さな町(瓶原(みかのはら)地域)の芸術祭。
自治会の文化祭のような雰囲気で、関係者以外で見に行った人って…私たちだけじゃないかしら。
聞こえてくる会話が、全部ご近所ネタ。
スタッフの方も、なぜこの芸術祭を知ったのですか?とびっくりされてたし、全くの部外者が見に来ることってあまり無いんですか?と聞くと、「そうですね、無いですね…」とのこと。
いや、私もなんで知ったのか覚えてないんですよね。おそらく芸術祭関係のSNSで情報を拾ったのかと思うんですが。

地元の子供の作品、アーティストさんの作品、ガムランの演奏会など、小さな芸術祭かと思いきや、58作品も展示されていました。
こういう地域に暮らしていたら、大人も子供も楽しいだろうな~。

わんはんどれっどふぁくとりーさんの作品「one hundred tape」

身近な素材セロテープ。ひたすらぐるぐる巻き付け、形を作ると、樹脂のような恐竜が現れる(リザードンかな?)
作品の下にはセロテープの芯。いや、芯とセットで作品ですね、この恐竜を生み出すための芯の芯なのだから。
作家さんの指紋は剥がれ、皮がめくれても、テープと戦い続けたそうです。セロテープ、なかなか手強いな~。

 ぬえさんの作品「夢の続き」

暗い空間で、ランプで照らしながら作品をみる演出。ワイヤーが鈍色にひかり、今にも動き出しそう。
土台の木目とワイヤーの筋の「似て非なるもの」感が素敵。
ぬえさんのぬえは、鵺のことなんでしょうね、さすが暗闇の支配者「鵺」

u-ranさんの作品「折波(origami)」

バスタブに展示するって、面白いですよね。
もこもこのバブルバスが、いろんな形の折り方で表現されているのが、泡のことをよく考えて作ってるなぁ~と思います。
折り紙アーティストのu-ran君は、中学生ながら、個展も開催するほどの天才アーティスト。
人気番組「博士ちゃん」にも出演されたそうですよ!

作品鑑賞の合間に、ガムラン(インドネシアの伝統音楽)の演奏も拝聴しました。

ガムランの音って、水の流れのよう。癒やされる~~~。
窓の奥に広がる茶畑が、インドネシアの山奥に居るようで、海外行きたい病が発病しそうになりましたが。

近辺の茶畑の中にも、神社の境内の中にも作品があったり、カフェで映像作品が流れていたりと、この地域全体の魅力が詰まった、手作り感満載の心温まる芸術祭でした。
身近なアート、手が届きそうなアート、自分も参加できそうなアート、良いですね。
こちらもまた来年行ってみたい芸術祭の1つになりました。


★奈良・町家の芸術祭 はならぁと 2024
さて、最後は、毎年奈良で開催されている、はならぁと。
今年は4会場で開催されたのですが、参加できたのは、奈良市田原エリアの数作品のみ。
たまたま近くを通ったので、時間ギリギリに3箇所だけ鑑賞してきました。

あおのいえに展示されていた、suzani(すざに)さんの作品「ふくろう」(真ん中)、「とら」(右奥)、植田陽貴さんの作品「願いを言え」

suzaniさんの作品は陶芸作品。ユーモラスな顔の動物たちがとてもかわいい。
どこかでこの子たちを見たことがあるな~と思ったら、信楽の陶器市に出品されていたそうです。
小さいサイズの動物たちが、欲しくなりました(今回は展示のみでしたので、次回陶器市でお会いしたら我が家にお迎えしましょう~)

植田さんの作品は、遠目には写真のようにも見えますが、優しいタッチの絵画です。
家に飾るとほっこりしそう。
作品が買える芸術祭があっても良いのにな~(会期が終わるまでは持ち帰らず我慢しますので)

はならぁとは、会期が短く(田原エリアは3日間のみ)、会場が分散してて1カ所あたりの作品数が少ないので、わざわざ行くとなるとちょっとハードルが高いです(駅近エリアも少ないので)
奈良を旅するついで、もしくは、はならぁとを巡るついでに奈良旅、がおすすめです。
各エリア、その地の特徴を活かした展示となっておりますので、ぜひ全エリアを楽しんでください(←全部行ったわけでもないのに勝手に宣伝すいません)

ふ~、今年もよく芸術祭を巡りました~。
来年は、瀬戸内芸術祭の年+芸術祭と関係ないですが大阪万博もあるので、また忙しくなりそう~。
そして、こんな本まで買ってしまって、どの展覧会に行くか、今から要検討です!

本年も、芸術祭マニアの独り言にお付き合いいただきまして、ありがとうございました。
性懲りもなく、来年も美術館・芸術祭巡りに勤しむ予定です。
どうぞお付き合いの程、宜しくお願い致します。
そして、来年も、webchangerを宜しくお願い致します。お問い合わせ、お待ちしております!

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