株式会社グローバルゲート公式ブログ
こんにちは、グローバルゲートのナミーです。
蝉の大合唱で、朝4時に目が覚めるここ1週間。寝不足です。
今週は「災害級の暑さ」だとか。
窓を締めきった車に乗ったら、あまりの暑さに、吸った空気で肺が熱くなるのがわかりました。災害級の名にふさわしい~。
いやしかし、動植物がかわいそうです。
この辺りはゲリラ豪雨もなく、もう1週間近く雨が降っていません。街路樹が枯れそうになっています。
蝉もあんなに鳴いて、熱中症にならないのかしら?
さて、今年一番楽しみにしていた美術展「超絶技巧、未来へ!明治工芸とそのDNA」が、あべのハルカス美術館で始まりました。
以前にも超絶技巧展がありまして、震えるほど感動し、滅多に買わない図録も購入し、お家で何度も余韻に浸っておりました。
(前回の超絶技巧展の事も熱く熱く語っておりますので、ぜひ)
あれから4年、今回はどんな作品が展示されているのでしょうか~(*^^*)
入っていきなり、私の一番好きな木彫コーナーがありまして。
まずは「前原冬樹」氏。
今回の美術展のポスターの作品なので、知っている方も多いのでは?
木彫だと書いているのに、どんなに近づいて観ても、木彫に見えない…。
しかもこの作品、一刀彫なんです。クリップの部分も足のねじれた部分も、全部繋がっていて、一枚の板から彫られているんです!
微妙な反り具合、スルメから粉が吹いている質感まで、1mmも木の成分が見当たらない。
奥の欠けた湯呑茶碗も、良い味出してるでしょ。
衝撃ノックアウト作品でした。
あ、ちなみに、前原さんは、元プロボクサーです。
「プロボクサー → サラリーマン → 7浪して東京芸術大学入学」と、生き方が面白すぎる~。
こちらは「松本涼」氏の、木彫だけどガラスのような繊細な作品。
薄く薄く、木目も彫って、紙のような薄さの立体。ところどころ木が朽ちたように穴があいているのも、いかに薄いかが分かります。
1万年前の頭蓋骨が出てきました。と展示してあれば、経年劣化した骨ってこうなるんだ~と思って見てしまいます。
今回一番観たかった作品、「大竹亮峯」氏の「月下美人」
うわ~、なに、この繊細な花びら。そして、雌しべ雄しべも完璧な彫りっぷり。
よ~~く観ると…。
花びらの薄さもさることながら、花びらの微妙な筋や、先っちょの開ききらない角張って丸くなった感じまで表現。
花びら部分は、木ではなく、鹿の角で作っています。
そして、何と言ってもこの作品の最大の凄さは、なんと「水を注ぐと花が開くこと」
は?花が開く???
花器の部分に水を注ぐと、花がゆっくりと開く仕組みになってるんです(写真は開いた状態)
ついに、木彫が生物になった!!
よく「作品に命をふきこむ」なんて言いますが、この作品は正真正銘の「命がふきこまれた月下美人」なんです。
作品のメイキング映像も展示されていたので、作品 → 映像 → 作品 → 映像、、、と、何度も観てしまって、この作品だけで30分ぐらい鑑賞してしまいました。
「圧倒的天才っているんだなあ」
凡人より。
この作品に見合う言葉が存在しない、凄い、素晴らしい、ブラボー、超絶!・・・そんな言葉も全て陳腐。
まだまだ作品は続きます。
「福田享」氏のこの作品の凄さは2点。
その1。
台座の木は、木に水滴っぽく樹脂等をくっつけた訳ではないんです。水滴の厚みを残して、台の方を削り、水滴部分を研磨して光らせているのです。
技術もですが、一枚の木で水滴まで表現しようと思う発想も凄い。
その2。
蝶は着色せず、木の持つ自然の色だけで作り出す、「立体木象嵌」という、福田氏独自の技法。
薄い蝶の羽が、象嵌でできているとは!
写真禁止だった「岩崎努」氏の、さくらんぼ、無花果、柿、竹の子。
以前に熱く語りました「安藤緑山」が、この手の彫刻では最高峰だと思っていたけれど、軽々超えていった!という印象でした。
「誰?木彫コーナーに、生の果物置いたらあかんよ!」って怒りたくなるぐらい、本物そっくり。
竹の子の産毛まで彫る技術よ…。
現代の木彫は以上。明治期の木彫の素晴らしい作品もありましたし、金工、漆工、陶磁、水墨画、ペーパークラフト、切り絵、刺繍・・・
ありとあらゆる超絶技巧が大集結していますので、ぜひ、皆さんも観に行ってみてください。
最後に、これは絶対みてほしい、息を呑む美しさ、ガラス作家「青木美歌」さんの作品。
菌類、ウイルス、細胞等の見えない生命をテーマとした作品「あなたと私の間に」
触ったら一瞬で消えてしまう綿あめのよう。繊細で儚く美しい。
作品と同じ印象の方だったのでしょうか、去年、闘病の末、この世を去られました。まだ40そこそこの若さで。
貴重な作品ですので、時間がなくても、この作品だけは、じっくり(できれば30分ぐらい)鑑賞して下さい。
さて、あまりに素晴らしい作品を観すぎて、すっかり何かしらの作品を生み出せそうな気分の私。
過日、「仏師に習う木彫教室」イベントがありまして(あべのハルカス美術館のイベントではありません)、「大竹亮峯」氏のような作品を彫り上げるイメージで参加してきました。
せっかく仏師の先生に習うので、私も仏様を。。。
ということで、「にゃんこアフロ仏」を彫ることに。
アフロ仏の立体は、時間の関係もあり難しいので、ペンダントタイプの仏様です。
まずは、板に絵を描いて、輪郭の要らない部分を、ざっくりと、カットしていきます。
ここまでは簡単。短時間で迷いなく、どんどんカットして、それらしい輪郭が見えてきました。
次は、全体的に丸みを彫り込んでいく作業。
ぺたんとした作品とはいえ、版画ではないので、頭は丸みを帯びてるように、耳はアフロの後ろから出てるように、身体も座禅姿勢なので、肩より腕が、腕より足が前にあるように、遠近を考えて、遠いものは奥になるよう彫り込んでいきます。
これがめちゃくちゃ難しい。
彫り過ぎたらやり直しがきかないし、どの程度までどの角度で彫り込んでいいのか、いまいち掴めない。
怖々しか進めなくて、随分時間がかかりました。
随分丸みを帯びてきたものの、左側の見本作品の立体感には程遠い…。
もう少し、ゴリゴリと、輪郭をはっきりさせていき、ついに顔ゾーンへ。
これは失敗したら台無しになるので、、、
「センセー、ヘルプ!」
顔の微妙な凹凸感、鼻が一番高くて、目の辺りは少し彫り込んで凹ませる、ほっぺたから髪に向かってまるーくカーブ。
思惟にふけてそうなお顔のにゃんこさんができました。
この時点で、スタートから3時間ちょっと。
アフロゾーンは未着手なので、早く彫らないと、このままでは座敷童子みたい。
見本のような、丸い螺髪を作る時間はないので、版画のように丸く縁取りを削る方法で、彫っていきました。
なんとも味のある、にゃんこアフロ仏、完成~~。
神作品を観た後のコレ、、、笑っちゃうお子様レベルですが、無心になって彫れたので楽しかったです。
暑すぎて、日中は外で過ごしにくい毎日ですので、美術館等の涼しい所や、自宅でクーラーをガンガンつけて趣味に没頭してみる事も、今年は選択肢に入れてみてはいかがでしょうか?
「ボ~~っとするのもアクティビティ」
って、ヨーロッパ人が言ってたのを聞いたことあるなぁ~。それぐらいの気持ちで、この暑い夏を乗り切ってくださいね。
連日の暑さで、ホームページもホットな情報を配信したくなりますよね?
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